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第31回清水杯柔道大会(3位決定戦)

2015.10.20

過去情報

決勝トーナメントで敗退したチーム同士による3位決定戦。 両チームここまで4試合をこなしてきたが、いずれも疲労の様子がうかがえる。 両チームのオーダーは下記の通りとなった。                  1B               3B 先鋒  恩田 彩美  鈴木 完菜 次鋒  小山 大之  宍戸  航 五将  大本 悠馬  関本 遼太 中堅  春日 翔吾  内尾 政和 三将  佐藤     優  渋井 崇之 副将  清水 隆椰  栗田 翔伍 大将  影山 貴一  西川 圭太 ポイントとなるのは1Bの大本、佐藤に3Bの柔道部トリオの関本、渋井を当てポイントゲッター同士の結果によってチームの勝利が左右される。またタイで大将戦を向かえた場合、有段者同士の試合内容により延長戦の可能性も出てくる。いずれにしてもどちらに勝利が転がってきてもおかしくない布陣であり、接戦の可能性が大である。 DSC07683 DSC07796 先鋒戦、3Bの鈴木は前に出る柔道に徹して1Bの恩田は防戦気味となる試合展開が続く。試合中盤、鈴木がいいタイミングで背負投げを繰り出すと恩田は背中から落ちて一本。どちらも勝利がほしい先鋒戦は3Bが先制した。 続く次鋒戦、小柄でバランスの良い1Bの小山は体格で勝る3Bの宍戸を相手に姿勢の良い柔道で対応する。1分過ぎ、場外際で小山が技を繰り出すと宍戸は返して有効となる。そのまま袈裟固めを決めて一本勝ち。普段感情を表に出さない宍戸はこの勝利の瞬間、嬉しさのあまりガッツポーズをする。これで3Bは上々の結果で中盤戦を迎える。 三将戦、まずは1つ取り返したい1B大本に対し、3Bは柔道部トリオの一人、関本を出す。序盤から大本は釣手を背中に回しながら大技を狙うが、関本はしっかりとした組手で対応する。試合中盤、大本は巻き込み気味の左払腰をかけ、関本は大きくバランスを崩すがポイントなし。その後も大本が攻め、関本が守る状況が続く。 試合終盤に左払腰をかけるがポイントはない。しかしそのまま大本は体を捻りながら後袈裟固めを決め、押込みによる一本勝ちとなり、1Bが一つ返した。 中堅戦、1B春日は上背があり手足も長く、力はあるが体格で劣る3B内尾に対して右大外刈りをしつこく仕掛ける。最後まで投げ切る姿勢の春日は長い時間大外刈りをかけ続け一本勝ち。これで1Bは2-2のタイに戻す。 DSC07867 DSC07921 三将戦、3Bは柔道部トリオの渋井に対して、1Bは佐藤。実力から渋井がやや分があるかと思われたこの対戦は、その後の勝敗を左右する結果となった。序盤から渋井は果敢に技を繰り出すがやや重心が高く、佐藤を揺さぶる結果にならない。試合中盤渋井は場外際で内股を仕掛けるが足で引っ掛けるに過ぎなかった為バランスを崩す。そこを佐藤は渋井を引き付けながら股の下で渋井をコントロールし、背中をつけさせ内股透かしによる一本勝ちとなった。これで1Bは柔道部トリオのうち2名に勝利し、この対戦で初めてリードした。 副将戦、1Bは小兵であるが負けん気の強い清水に対して、冷静に対応する3Bの栗田。 清水は序盤から背負投げや小内巻込を繰り出し栗田を揺さぶる。1分過ぎ清水は相手の懐に絶妙なタイミングで小内巻込みから背負投げに変化し、栗田を転がし有効を先制する。しかし栗田は試合中盤に組み勝ち、引き込みながらの払腰に入ると清水は背中から落ちて一本。 これで3Bはタイに戻し、大将戦勝負となる。 大将戦、1B影山と3B西川との対戦。影山にやや分があるが西川は気合十分の姿勢で臨む。 序盤西川が足払いや体落としで攻めたてるが影山も低い背負投げで対抗する。一瞬影山が背負投げを仕掛けると西川は体を預けて返すと技ありが宣告され、3Bがポイントでリードする。 お互い積極的に技を仕掛けるが時間は過ぎ、試合時間残り30秒辺りで影山の仕掛けた左背負投げで西川は宙を舞い、左半身が畳につき有効となるが、ポイントは西川リードと変わらない。 しかし西川は先に技ありを取った事に気づかず、リードされたと勘違いして攻めの姿勢をみせ、それに対して影山はこのままでは負ける事を理解しているので同じく攻めの姿勢をみせる。この辺りからお互いの応援団はものすごい歓声となる。 残り10秒、影山が連続的に背負投げを仕掛け、西川に攻めの姿勢を与えないがポイントにならず、最後の1秒で左背負投げから左足を外に出して大外刈りに変化させると西川の体は宙を舞い終了のブザーと同時に一本。緊迫した3位決定戦は劇的な逆転で幕を閉じた。 DSC08001 DSC08006 私もこんな試合は見た事がなく、試合会場にいた誰もが感動したであろうという内容であった。負けた3Bの選手は畳を拳で叩くほど悔しがり、勝った1Bは感激のあまり涙する者もいた。 勝敗のポイントとなったのはやはり三将の佐藤、渋井戦であろう。振り返るとこの対戦がターニングポイントとなった。決して渋井の実力が劣っていた訳ではなく、純粋に勝ちにこだわり試合に臨んだが、佐藤のタイミングとバランス能力がたまたま合致した結果であろうと考える。 また最後の大将戦はものすごい展開であった。たらればの話だが、もし西川が技ありの宣告を理解していれば勝敗は変わっていたかもしれないが、最後まで攻めの姿勢を貫いた西川に「あっぱれ」と言いたくなる内容であった。また最後の最後で勝ち切った影山にも賞賛を与えたい。 劇的な3位決定戦は1Bの勝利となった。

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