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2013 US国際視覚障害者柔道大会帯同記

カテゴリー:過去情報 更新日:2013.07.23

 こんにちは、ヒグチです。
 先日もfacebookでお伝えしましたが、今回7月12日から21日までの10日間、
アメリカ合衆国コロラド州コロラドスプリングスへ日本チームコーチ兼トレーナーとして
出掛けて参りました。

 IBSAとはInternational Blind Sports Associationといい、視覚障害者スポーツの
国際組織です。もちろんIPC(International Paralympic Committee)の加盟団体に
なります。今回はこのIBSAのユース大会が13日に、シニア大会が14日に行われ、
翌15日からは合同合宿が計画されたので、これに帯同したわけです。

 Judo競技はどのように行われるかというと、晴眼者と違うのは、副審の誘導に
よってお互い礼を行った後に試合場中央で組み合い、「Hajime」の合図で始まります。
途中、お互いが離れてしまったら「Mate」。開始位置に戻り、組み合って再開します。
それ以外は健常者と同じです。場内外も同じ審判規定です。もちろん階級も同じ。
ひょっとすると、パラリンピック競技の中で最も健常者に近いルールで行われている
競技かもしれません。

審判が開始前に誘導して組ませてから「Hajime!(始め)」
 7月13日、日本選手はユース大会へ男子60kg級、66kg級にそれぞれ1名ずつ
出場し、銅と金のメダルを獲得しました。

 翌7月14日、いよいよ本大会当日です。日本は女子48kg級に1名、52kg級に2名、
57kg級に1名合計4名の選手を送り出し、銀2、銅2と全員がメダル、男子は60kg級、
73kg級、81kg級、90kg級にそれぞれ1名ずつ、66kg級、100kg級へは2名ずつ
エントリーし、66kg級で金と銅のメダルを獲得する成績でした。

 試合そのものは壮絶で、各国選手は名誉と誇りをかけて競い合っています。
外国選手はこちらでも肘関節を狙うのが好きなようです。
自ずと負傷者も増えてきました。日本選手も肘関節の脱臼や膝関節や足指の捻挫と
故障が何人か出てしまいました。
 ある程度は予想していましたが、大会の後半は選手の手当に追われ、
試合のコーチはほとんどできませんでした。
 しなしながら、大会会場にはアイシング用の氷がしっかり用意され、
アイスパックを作るのには全く苦労しませんでした。
緊急時のため、事前に健康チェックリストの提出が義務づけられていたこともあり、
医療機関への受診もスムーズで、大会運営側の手際の良さには随分勉強する
ところがありました。

 会場には盲導犬もいます。出場選手の年齢も多様で、ユースは13歳からですし、
日本人シニアの最高齢は50歳を過ぎています。
 このような雰囲気もBlind Judoなのかと感じました。

アメリカのコーチと盲導犬を連れた選手。
肩の赤いマークは全盲であることを示している。

松本選手とブライアン選手。
同い年であることが発覚し、急に距離が縮まった二人。

 このように、「Judo」は世界中の人と思いを共有することができる
スポーツのなだと深く思い知らされたと同時に、世界へ広めてこられた
先達へ感謝の気持ちで一杯になって帰途につきました。

柔道最高!

ブラジルの選手団。
リオへ向けてユニフォームから何からすべてに気合いが入っていました。


日本選手団とコロラドスプリングスの眺め