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辞世の和歌

2011.8.2

過去情報

 こんにちは、教員の小枝です。 今日は、戦国時代にライバル同士だった二人の辞世の和歌についてです。  まずは、歴女に人気の戦国の風雲児、独眼竜こと伊達正宗です。 「曇りなき 心の月を さき立てて           浮世の闇を 照らしてぞ行く」 曇りのない心の月で行く手の道を煌々(こうこう)と照らし、 生きにくい浮世の闇をまっすぐ進んでみせよう。という歌です。  正宗は、「あと10年生まれるのが早かったら、天下を取れたのでは?」と言われた男です。 その生涯、最期まで天下取りの夢をあきらめませんでした。 残念ながら天下取りの夢は叶いませんでしたが、 そうした人生の最期に悔恨ではなく、前へ向かってすすんで行く歌を詠んだところに、 正宗らしさを感じます。  続いては、織田信長が「目つき常ならず」と言わしめた蒲生氏郷です。 「かぎりあれば 吹かねど花は 散るものを              心みじかき  春の山風」 桜はいつか散る日がやってくるのだから、山風よ、 そんなに慌てて散り急がせることはないだろう・・・。という歌です。    氏郷は、一介の土豪から会津92万石の大大名までのぼりつめました。 豊臣時代に会津から関東の徳川家康、奥羽の伊達正宗に睨みを利かせていた実力者です。 残念ながら40歳という若さで他界してしまいます。 その歌はどこ寂しく悲哀に満ちた氏郷の無念の思いを感じます。 それぞれが思いを込めて詠った和歌、みなさんはどちらに魅せられますか。

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