ウィルチェアラグビー大会に参加してきました。
カテゴリー:過去情報 更新日:2013.11.11
こんにちは、教頭の樋口です。
今回は先月開催されました、第13回全国障害者スポーツ大会 (オープン競技)
ウィルチェアラグビー大会に補助として参加した学生(昼2年 佐々木君)のレポートをお届けします。
ウィルチェアラグビーという競技に携わることはおろか、
観戦するのも初めてということで、今回の大会への参加は
とても有意義なものとなりました。
まず、会場に到着し最初に任された仕事は選手の荷物の搬入である。
ウィルチェアラグビーの競技者は、言うまでもなく車いす生活を強いられている者が
ほとんどであった。着替え等の荷物に加え、競技用の車いす、車いすのスペアータイアなど
を合わせると1人分の荷物でも相当な量になる。
無論、競技者が一人で全てを運び込むことは容易ではなく、
スタッフの手助けが不可欠となり、会場到着早々にこの競技の大変さを実感した。
次に、会場設営の仕事を任された。スポーツコートという樹脂製の
タイルを体育館に敷き詰め、ウィルチェアラグビー用のコートを作成する。
このタイルを床面に敷くことにより、車いすのタイア痕や転倒によって
既存体育館の床を傷つけないという配慮があるようだ。
また、タイルを敷くことによって既存体育館の床とスポーツコートとの間には
僅かな段差が出来てしまっていたが、専用の取り付け式スロープがあり、
車いす競技ならではの工夫を垣間見ることができた。
いざ、試合が始まると選手同士のコンタクトの激しさと車いすの
金属部分がぶつかり合う衝撃音に圧倒される。
その激しさは、頻りに起こるタイアのパンクや転倒などが物語っていた。
特に目を引いたのがタイアのパンクである。
『横浜義塾』でヘッドコーチをされている木村さんの話では、
1試合に5、6回のパンクはざらであり、スタッフによるパンクの
修理技術もチームが勝つ為に必要な力の1つだということを教えていただいた。
ゲームの進行は1ピリオド8分間、合計4ピリオド行われる。
ファウルやタイア交換、転倒者の対応中には時間は止まるため、
時間にして1試合約1時間〜1時間15分程度を要していた。
チーム構成は4人一チームで、障害に応じて割り当てられている
選手の持ち点の合計が8点以内でなければならないというルールが定められている。
持ち点は障害の軽い選手である程高く(最大3.5点)、
重度の選手程低く(最低0.5点)設定されている。
45歳以上の者や女性競技者が参加すると1ゲーム当りの
持ち点が8.5点になるという特別ルールもあり、
持ち点の組み合わせがゲームの行方を左右すると
言っても過言ではなかった。
基本的に持ち点の高い選手がオフェンスを務め、
持ち点の低い選手がディフェンスを務める。
それぞれにボールを運ぶ、味方ボールキャリアーのサポート、
相手選手の妨害妨害など明確な役割があり、
それは健常者ラグビーのフォワードとバックスと同様であり、
使用するボールは異なれどラグビーと言われる所以はここにあると感じました。
試合中のチームスタッフの動きに目を向けると、様々な対応を伺うことができた。
どのチームにも共通していたことはベンチに霧吹きが置いてあったことである。
選手の中には障害により、体温調節が出来ない者も少なくなく、
霧吹きで直接肌に水を吹きかけ、人工的に汗を作りだし体温調節をしていた。
また、頸部にアイスパックを当て身体を冷やしている選手が多く見受けられたが、
それも同様の理由と推測することできた。
冒頭でも述べたように障害者スポーツに携わるのは初めてであったが、
ウィルチェアラグビーという一側面だけを見ても、
スタッフを含めた総合力が非常に重要であり、
またその比重も健常者スポーツに比べて寄与する範囲も
多岐に渡ると実感した活動になりました。
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